高気密高断熱の住宅は、年間を通して快適に暮らせるとともに、光熱費の削減も実現可能です。さらに、ヒートショックのリスクが小さいというメリットもありますが、高気密高断熱の住宅は外気の影響を受けにくいものの、室内に空気がこもりやすいという側面があります。特に、施工時に使用した資材の化学物質やハウスダストによって、シックハウス症候群を発症する可能性があるため、高気密高断熱の住宅には24時間換気システムの導入が義務付けられています。24時間換気システムとは、強制的に室内の空気を入れ替えることができる設備のことです。
導入することでシックハウス症候群のリスクを軽減することができますが、24時間換気システムには第1種から第3種の3種類があります。第1種は給気・排気ともファンで強制的に行うタイプで、空気の流れをコントロールしやすいというメリットがありますが、導入コストやランニングコストは高めです。第2種は、給気のみファンで強制的に行って排気は自然に任せるタイプです。建物に隙間があると空調効率が低下するため、住宅にはあまり採用されません。
第3種は、給気は自然に任せて排気のみファンで強制的に行うタイプです。全ての部屋に給気口が必要なタイプで、給気口付近は外気の影響を受けやすいものの、導入コストやランニングコストが安いというメリットがあります。上記の通り、24時間換気システムには3つのタイプが存在しますが、高気密高断熱の住宅には第1種が適しています。第2種や第3種のような外気の影響を受けるシステムを導入してしまうと高気密高断熱のメリットが薄れてしまうため、経済的な負担が増えたとしても第1種の24時間空調システムを導入するのがおすすめです。